「スポットワーク」の労務管理について②

「スポットワーク」の労務管理について②

全2回にわたり、「スポットワーク」の労務管理についてお知らせします。
前号では、おもに労働契約締結時における注意や、休業させる場合の注意点などについてご案内しました。
本記事では、賃金・労働時間に関する注意点などについてご紹介します。

3.賃金・労働時間に関する注意点

実際の労働時間に対する賃金を労働条件通知書に記載された所定支払日までに支払わなければ労働基準法違反となります。

▶業務に必要な準備行為等も労働時間です

事業主の指示により、就業を命じた業務に必要な準備行為(指定の制服への着替え等)や業務終了後の業務に関連した後始末(掃除等)を就業先内において行った時間などは、原則、労働時間に当たります。求人の際に、これら着替え等の時間も含めて始業・終業時刻を設定しましょう。
予定した始業時刻より前に、事業主の指示により、就業を命じた業務に必要な準備行為(指定の制服への着替え等)などが発生した場合は、その時間を労働時間として取り扱ってください。
なお、事業主の指示により待機を命じた時間も労働時間に該当することから、待機後の事由にかかわらず、事業主は待機時間に対する賃金を支払う必要があることに留意してください。

▶一方的な賃金の減額は違法です

賃金について、労働条件通知書などで示した額を一方的に減額したり、「別途支払う」としていた交通費などを支払わない場合には、労働基準法違反となります。

▶実際の労働時間を速やかに確認しましょう

スポットワーカーから予定していた労働時間と異なる実際の労働時間(残業など)による修正の承認申請がなされた場合は、事業主は、予定された労働時間に基づき勤務した賃金は遅滞なく支払うとともに、予定の労働時間と異なる時間については、速やかに確認し、労働時間を確定させ、実際の勤務時間に応じて賃金を支払いましょう。

労働時間の考え方については「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」をご覧ください。

4. その他の注意点

▶通勤途中または仕事中にケガをした場合

スポットワーカーが通勤の途中または仕事中にケガをした場合、スポットワーカーは就労先の事業について成立する保険関係に基づき労災保険給付を受けることができます。(労働者災害補償保険法第7条等)

※ 労災保険料については、事業主のご負担になります。

▶労働災害防止対策も事業主の義務です

スポットワーカーの労働災害防止のため、労働安全衛生法等に基づく各種措置(雇入れ時等における機械等の危険性や安全装置の取扱方法等の教育の実施等)を講じましょう。

▶ハラスメント対策も事業主の義務です

スポットワーカーに対するパワハラやセクハラなどハラスメント防止のため、労働施策総合推進法等に基づく各種措置(相談窓口や行為者に対する措置内容の周知等)を講じましょう。

参考:厚生労働省リーフレット【「 スポットワーク」の労務管理】より

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