賞与支払届/賞与不支給報告書について
冬の賞与が支払われる時期になりました。
既に支給の済んだ事業所もあるかと思いますが、事業主が被保険者および70歳以上被用者へ賞与を支給した場合には、支給日より5日以内に「被保険者賞与支払届」により支給額等を届出する必要があります。
今回は提出先や記入例、手続きの流れなどについて解説します。
賞与支払届の手続き 〜書類作成から提出までの流れ
① 届出書類の準備
「賞与支払届」は、日本年金機構もしくは加入している健康保険組合に登録された賞与支払予定月の前月に、被保険者の氏名や生年月日等が印字されて送付されてきます。
新しく入社した方など印字されていない従業員がいる場合は、印字されていない欄に手書き等で追記する必要があります。
② 標準賞与額・保険料の算出
賞与支払届を提出することで、「標準賞与額」が決定します。「標準賞与額」は、実際に支払われた賞与額(税引き前の賞与の総支給額)から、1,000円未満を切り捨てた金額をいいます。これに健康保険・厚生年金の保険料率をかけた金額が、賞与にかかる保険料となります。ただし、保険料については、企業と従業員で折半して負担します。
③ 賞与支払届の作成
■賞与支払届
賞与支払届に印字されている従業員で賞与の支払がない場合は、支給額等の記入は必要ありません。
また、複数の事業所で社会保険に加入している場合は、備考欄「二以上勤務」に○をします。同一月内に複数回の賞与を支給した場合は、備考欄「同一月内の賞与合算」に○を忘れずに記入します。
支給しない場合も提出する必要があるためご注意ください。
■賞与不支給報告書
被保険者や70歳以上被用者に対して賞与を支給しなかった場合は、
賞与支払届の代わりに「賞与不支給報告書」を提出します。
④ 賞与支払届の提出
全ての書類が整えば、被保険者整理番号順になるように、順番をそろえて管轄の年金事務所または事務センターに、賞与支給日より5日以内に送・窓口持参します。
※電子申請(e-Gov)や電子媒体での届け出方法もあります。
⑤ 保険料の納付
書類提出後、「保険料決定通知書」が管轄の年金事務所または事務センターから送付され、保険料が決定します。不支給の場合は、標準賞与額決定通知書等の送付はありません。また賞与に対する保険料は、同じ月の標準報酬月額の保険料と合わせて翌月末日までに納付する必要がありますので、忘れないように注意してください。
賞与支払届は将来の年金額に大きく影響します。提出は忘れずにお願いします!
育児休業等期間中に支払われる賞与の社会保険料について
賞与保険料は、賞与を支払った月の末日を含んだ連続した1か月を超える育児休業等を取得した場合 に免除されます。1か月を超えるかは暦日で判断し、土日等の休日も期間に含みます。
賞与保険料の免除の例
※ 斜線部分が保険料免除月
無料ダウンロードはこちら
今回の内容の事務所だより(労務ROAD)はこちらから無料でダウンロードできます。
お知らせ
★助成金の簡易フローチャートを作成いたしました。
適用できる助成金が無いか簡単にご確認いただけます。詳細はこちらをご確認ください。
★記事のバックナンバーについて
以下のページからご確認いただけます。
過去の号については情報が変更となっている可能性もございますので、最新の情報については弊社までお問合せください。