2025年 法改正のポイント総まとめ

2025年 法改正のポイント総まとめ

2025年は、雇用・育児・高齢者雇用など、多様な働き方をめぐる制度が大きく動く年となりました。本号では、一年の総まとめとして、企業が実務上特に押さえるべき3つの改正ポイントを分かりやすく整理します。制度見直しや社内周知の際にご活用ください。

1.高年齢者雇用安定法の経過措置終了

●「継続雇用制度」の対象限定が廃止に

これまで企業は、労使協定を締結することで、継続雇用制度(65歳までの高年齢者雇用確保措置)の対象者を一定の基準により限定することが可能でした。

しかし、2025年4月1日からこの仕組みは廃止され、以下のいずれかの措置を講じる必要があります。

■ 定年制の廃止

■ 65歳までの定年の引き上げ

■ 希望者全員の65歳までの継続雇用制度の導入

参考:厚生労働省【高年齢者雇用安定法の改正~「継続雇用制度」の対象者を労使協定で限定できる仕組みの廃止~】より

2.雇用保険制度の拡充と見直し

●出生後休業支援給付の創設

 見直し内容

子の出生直後の一定期間以内(男性は子の出生後8週間以内、女性は産後休業後8週間以内)に、被保険者とその配偶者の両方が14日以上の育児休業を取得する場合に、最大28日間、休業開始前賃金の13%相当額を給付し、育児休業給付とあわせて給付率80%(手取りで10割相当)へと引き上げることとする。

※配偶者が専業主婦(夫)の場合や、ひとり親家庭の場合などには、配偶者の育児休業の取得を求めずに給付率を引き上げる。

●育児時短就業給付の創設

 見直し内容

○被保険者が、2歳未満の子を養育するために、時短勤務をしている場合の新たな給付として、育児時短就業給付を創設。

○給付率については、休業よりも時短勤務を、時短勤務よりも従前の所定労働時間で勤務することを推進する観点から、時短勤務中に支払われた賃金額の10%とする。

●高年齢雇用継続給付の引き下げ

賃金の額がみなし賃金月額の64%相当額未満の場合、高年齢雇用継続給付の給付率が15%から10%に引き下げられます。

また、賃金がみなし賃金月額の64〜75%未満になった場合は、その割合の程度に応じて、給付率が10%から減少することになりました。

参考:厚生労働省【令和6年雇用保険制度改正(令和7年4月1日施行分)について

3.育児・介護休業法等改正 仕事と育児・介護の両立支援制度の強化

男女とも仕事と育児・介護を両立できるように、育児期の柔軟な働き方を実現する為の措置の拡充や介護離職防止のための雇用環境整備、個別周知・意向確認の義務化等の改正を行いました。

●子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充

残業免除の対象範囲拡大、テレワーク導入の努力義務化、子の看護等休暇の拡大等の措置が取られます。

●育児休業の取得状況の公表義務の拡大

従業員数が300人超の企業に、育児休業取得状況の公表義務などが課されます。

●仕事と介護の両立支援制度の強化など

労働者が家族の介護に直面した旨を申し出たときに、両立支援制度などについて

個別の周知・意向確認を行うことや、労働者らへの両立支援制度などに関する早期の情報提供や、雇用環境の整備(労働者への研修など)が義務付けられます。

参考:厚生労働省【育児・介護休業法 改正ポイントのご案内

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