在職老齢年金制度の見直しについて

在職老齢年金制度の見直しについて

在職老齢年金制度は、年金を受給しながら働く高齢者について、一定額以上の報酬のある方は年金制度を支える側に回っていただくという考え方に基づき、年金の支給を調整する仕組みです。

今回は現行制度のご紹介と2026年度に予定されている見直し案についてご紹介します。

在職老齢年金の対象者

■60歳~69歳:厚生年金保険に加入しながら、老齢厚生年金を受けている方

■70歳以上:厚生年金保険の適用事業所に勤務している方

2025年度の制度について

在職老齢年金制度では、年金制度の改正や賃金水準などの社会情勢を踏まえて、「支給停止調整額」が年度ごとに見直されています。

2025年度の支給停止調整額は「51万円」です。「名目賃金変動率」などを参考に、2024年度(令和6年度)の「50万円」から引き上げられました。

 

<計算例>

「賃金(ボーナス含む年収の12分の1)」が45万円、「厚生年金1ヶ月分」が10万円のシニア社員の場合

ヵ月の年金から差し引かれる金額

={(賃金(ボーナス含む年収の12分の1+厚生年金1ヵ月分)-51万円}÷2

={(45万円+10万円)-51万円}÷2
=(55万円-51万円)÷2
=4万円÷2
=2万円

 実際に受け取れる1ヶ月の厚生年金

  10万円-2万円=8万円

2026年度に予定される見直し案について

高齢者の活躍を後押しし、働きたい人がより働きやすい仕組みとするという観点から、厚生年金が支給停止となる基準額を、

月51万円→62万円へ引き上げることを予定しています。

先ほどの計算例のシニア社員

「賃金(ボーナス含む年収の12分の1)」が45万円、「厚生年金1ヶ月分」が10万円のシニア社員の場合

賃金と厚生年金の合計が55万円は支給停止ラインの62万円を超えないため、

従来停止されていた2万円も支給されます。満額支給へ

   この方の場合、賃金が52万円に達するまで在職老齢年金制度による支給停止の

   影響は受けません。

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