令和5年度キャリアアップ助成金について・主な改正点とQ&Aまとめ

令和5年度 キャリアアップ助成金のコース

令和5年度のキャリアアップ助成金について発表がありました。

全コース共通の大きな変更点は「生産性要件の廃止」です。

正社員化コース

◆ 支給要件

有期雇用労働者等を正社員化(※)

※多様な正社員(勤務地限定・職務限定・短時間正社員)を含む

正社員化後6か月間の賃金が正社員化前6か月間の賃金と 比較して3%以上増額していることが必要

◆ 支給額

➀有期→正規: 57万円( 42.75万円)

無期→正規:28.5万円(21.375万円)

※( )は、大企業の場合の額

◆ 加算措置・加算額(1人あたり)

・人材開発支援助成金の訓練修了後に正社員化:
 ➀ 9.5万円(大企業も同額)
 ➁4.75万円(大企業も同額)

※自発的職業能力開発訓練または定額制訓練の修了後に正社員化した場合の加算は、
 ➀11万円 ②5.5万円(大企業も同額)

・派遣労働者を派遣先で 正規雇用労働者として直接雇用 :28.5万円(大企業も同額)

・母子家庭の母等又は父子家庭の父 :➀ 9.5万円(大企業も同額) ➁4.75万円(大企業も同額) 

・勤務地限定・職務限定・短時間正社員 制度を新たに規定 :1事業所当たり9.5万円(7.125万円)

障害者正社員化コース

◆ 支給要件

障害のある有期雇用労働者等を正規雇用労働者等に転換

◆ 支給額

➀有期→正規: 90万円 ( 67.5万円)

➁有期→無期: 45万円 ( 33万円)

➂無期→正規: 45万円 ( 33万円)

※重度障害者の場合は、➀120万円(90万円)➁➂60万円(45万円)となる。

賃金規定等改定コース

◆ 支給要件

有期雇用労働者等の基本給を定める賃金規定を3%以上増額改定し、その規定を適用

◆ 支給額

➀3%以上5%未満: 5万円 ( 3.3万円)

➁5%以上 :6.5万円 ( 4.3万円)

※( )は、大企業の場合の額

◆ 加算措置・加算額(1人あたり)

・「職務評価」の手法の活用により実施 1事業所当たり 20万円(15万円)

賃金規定等共通化コース

◆ 支給要件

有期雇用労働者等と正規雇用労働者との共通の賃金規定等を新たに規定・適用

◆ 支給額

1事業所当たり 60万円 ( 45万円)

※( )は、大企業の場合の額

賞与・退職金制度導入コース

◆ 支給要件

有期雇用労働者等を対象に賞与・退職金制度を導入し、支給又は積立てを実施

◆ 支給額

1事業所当たり 40万円 ( 30万円)

※( )は、大企業の場合の額

◆ 加算措置・加算額(1人あたり)

・同時に導入した場合 1事業所当たり 16.8万円(12.6万円)

短時間労働者労働時間延長コース

◆ 支給要件

有期雇用労働者等の週所定労働時間を3時間以上延長し、社会保険を適用

◆ 支給額

23.7万円 ( 17.8万円)

※( )は、大企業の場合の額

なお、3時間未満の延長であっても、以下のとおり助成を受けられる場合がある。

1~2時間延長かつ10%以上昇給 5.8万円(4.3万円) 

2~3時間延長かつ6%以上昇給 11.7万円(8.8万円)

2023年4月から一部助成金の電子申請が可能に

2023年4月から電子申請が開始する助成金

2023年6月から電子申請が開始する助成金

電子申請のメリット

令和5年度キャリアアップ助成金Q&A

就業規則の改定について

Q1.

常時10 人以上雇用する事業所において、就業規則の改定を行う際の注意点はありますか。

A1.

常時10 人以上雇用する事業所においては、就業規則の改定後、速やかに所轄の労働基準監督署長へ届け出る必要があります。

(遅くともキャリアアップ助成金の支給申請前の届出が必要です。)

派遣労働者の就業規則適用について

Q2.

派遣労働者の直接雇用の場合及び有期実習型訓練修了者も「賃金の額または計算方法が正社員と異なる就業規則」の適用を6か月受けていることが必要ですか。

A2.

派遣労働者については、必要ありません。

有期実習型訓練修了者については、訓練期間及び転換時期に応じて、必ずしも6か月間の適用を受けることができない場合もありますが、有期雇用労働者等として雇用される転換日までの間は、その適用を受けている必要があります。

(令和5年10 月1日以降の転換から適用)

正社員・非正規社員の昇給の有無が異なる場合

Q3.

「賃金の額または計算方法が正社員と異なる就業規則」には、昇給の有無が異なる場合(正社員あり、非正規雇用労働者なし)も該当しますか。

A3.

該当します。

なお、適用される昇給幅が正社員と非正規雇用労働者間で異なる場合も対象となり得ます。

(ただし、実態として同等の昇給が契約更新時に行われていた場合は、対象とはなりません。)

「通常の労働者に適用される就業規則等(中略)が適用されている労働者」とは

Q4.

正規雇用労働者の定義中「通常の労働者に適用される就業規則等(中略)が適用されている労働者であること」とはどのような要件なのでしょうか。

A4. 

正規雇用労働者に適用される就業規則に定めのある「正規雇用労働者としての労働条件」(賃金の算定方法及び支給形態、賞与、退職金、休日、定期的な昇給や昇格の有無等)が適用されていることを要件としています。

例えば、就業規則には正社員について賞与が支給対象となる旨が記載されているにも関わらず、今回の転換対象者の労働条件通知書等には賞与の支給が無しと記載されている場合は、支給対象となりません。

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