厚生労働省のホームページにて、「時間外労働の上限規制」「年5日の年次有給休暇の確実な取得」についてのパンフレットが公開されています。実務上の取扱いが具体的に解説されており、Q&Aも公開されております。
【時間外労働の上限規制】
Q1 施行前と施行後にまたがる期間の36協定を締結している場合には、4月1日開始の協定を締結し直さなければならないのか。
→A1 改正法の施行に当たっては、経過措置が設けられています。この経過措置によって、施行前と施行後にまたがる期間の36協定を締結している場合には、その協定の初日から1年間に限っては、その協定は有効となります。 したがって、4月1日開始の協定を締結し直す必要はなく、その協定の初日から1年経過後に新たに定める協定から、上限規制に対応していただくこととなります。
Q2 中小企業は上限規制の適用が1年間猶予されますが、その間の36協定届は従来の様式で届け出てもよいのか。
→A2 適用が猶予される1年間については、従来の様式での届出でかまいません。なお、上限規制を遵守する内容で36協定を締結する場合には、新様式で届け出ていただいてもかまいません。
【年5日の年次有給休暇の確実な取得】
Q4 パートタイム労働者など、所定労働日数が少ない労働者であって、1年以内に付与される年次有給休暇の日数が10日未満の者について、前年度から繰り越した日数を含めると10日以上となっている場合、年5日確実に取得させる義務の対象となるのか。
→A4 対象とはなりません。前年度から繰り越した年次有給休暇の日数は含まず、当年度に付与される法定の年次有給休暇の日数が10日以上である労働者が義務の対象となります。
Q7 今回の法改正を契機に、法定休日ではない所定休日を労働日に変更し、当該労働日について、使用者が年次有給休暇として時季指定することはできますか。
→A7 ご質問のような手法は、実質的に年次有給休暇の取得の促進につながっておらず、望ましくないものです。
Q9 年5日の取得ができなかった労働者が1名でもいたら、罰則が科されるのでしょうか。
→A9 法違反として取り扱うこととなりますが、労働基準監督署の監督指導において、法違反が認められた場合は、原則としてその是正に向けて丁寧に指導し、改善を図っていただくこととしています。
Q10 使用者が年次有給休暇の時季指定をするだけでは足りず、実際に取得させることまで必要なのでしょうか。
→A10 使用者が5日分の年次有給休暇の時季指定をしただけでは足りず、実際に基準日から1年以内に年次有給休暇を5日取得していなければ、法違反として取り扱うことになります。
Q11 年次有給休暇の取得を労働者本人が希望せず、使用者が時季指定を行っても休むことを拒否した場合には、使用者側の責任はどこまで問われるのでしょうか。
→A11 使用者が時季指定をしたにもかかわらず、労働者がこれに従わず、自らの判断で出勤し、使用者が その労働を受領した場合には、年次有給休暇を取得したことにならないため、法違反を問われることになります。 ただし、労働基準監督署の監督指導において、法違反が認められた場合は、原則としてその是正に向けて丁寧に指導し、改善を図っていただくこととしています。
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